2016年5月20日より2500円値下がり。

関東、関西の輸出価格が大幅下落、5月の連休前よりアジアの鋼材価格は下落していたがタイムラグもあり今回の値下がりとなった。本年に入り1万円程値上がりしていた鉄屑の上昇は終焉を迎えてようだ。今回の予想外の値上がり(一般的には4000円~5000円の予想)は、他のコモデティ価格と同様に鉄屑も先物相場に振り回された結果である。この先はどうなるのか考えると、まず米国の金融市場動向、大統領選挙前で政府は利上げを避け、ドル安に持って行きたいところであるが、目近の米指標が悪くなく一時遠のいていた利上げ機運がFRB中心に頭をもたげて来ているようだ。米利上げは原油を含むコモデティ全般、新興国通貨及び経済にはマイナス要因となる。又、英国のEU離脱問題は残留派が巻き返し60%程の支持を集めているので、ほぼないとは思われるが、ユーロ圏で大きなテロ等が起きると、ひっくり返る可能性がある。もし離脱ということになるとリーマンショク級の大波乱となると予想される。為替はリスク回避の円買いとなり予想外の円高となる。原油相場もカナダの森林火災、ナイジェリアの油田設備に対するイスラムゲリラの相次ぐ攻撃により供給が落ちていることや、米ゴールドマンサックス社の今年後半の原油価格見通しを20ドルから50ドルに引き上げたことにより、原油価格も50ドル近くまで上昇しているが、この価格も鉄鋼関連同様、先物主導の行き過ぎ価格となっている。又、今回の上昇相場の核となっている中国は、それまでの景気の落ち込みで在庫がスカスカとなっているところに、大きな財政出動となったものだから実需、先物市場に一斉に買いが入り、すべての商品が予想外の値上がりとなった。この状況下で操業を止めていた企業、設備も再稼働させた為、相場上昇も長くは続かなかった。中国は今回の景気対策で更なる債務を増大さすことになり、中国経済の停滞は更に長期化することになった。目先は上昇の半値落ちと見た方がよさそうだ。

北九州市 解体業 石川興産