世界シェア50%前後を握っている中国は世界から減産要求が強く出ているにも係わらず、いまだに自国や他国で生産設備の増築に動いている。これは鉄鋼だけでなく、化学製品、セメント等の鉱工業製品だけでなく、最近ではIT関連、先々では電気自動車等々すべての分野に於いて、これは国家ぐるみの世界制覇に向けての動きに他ならない。米中の貿易戦争にしても、現在は表面的には、米国に協力的に振舞ってはいるが、これも中国お得意の孫子の兵法の一つ「戦わずして勝つ」という戦法であり、単純なトランプは早くも手玉に取られているようだ。鉄鋼に関しても年間10億トン近い生産量と、日本の10倍近い生産をしており、これを更に増量させようとアジア、又ブラジル辺りにも高炉一貫の何百万トンクラスを建設予定であり、世界の景気が拡大している時は、そう目立たないが、一旦景気下降ともなれば押し込み先を求めて鋼材が世界で氾濫することになり、今度不況が来たときはと考えると、今までなかったような状況となる。ちなみに推定ではあるが、中国の鉄鋼備蓄量(国全体の鉄鋼使用量)は約100億トン、年間のスクラップ発生量は約2億トン、使用量は約1億5000万トン強といわれてはいるが、電気炉の使用量がかなり増加して来ており、固定的在庫、目減り、歩留まりを考慮すると5000万トンのラグはないと思われる。この先、米国向けがどのようになるのか、昨年と同じように中国が強力な公共事業で経済を引っ張っていくことが出来るのかに懸っているようだ。日本は米国の圧力により、より円高に。安倍内閣がどうにかなると、更なる円高にと、先行きはまったく不透明といってもいいようだ。ただ、世界景気は現在は堅調であり、すぐにどうこうということはなさそうだ。
北九州市 解体業 石川興産