取敢えずの上昇であるが、市場環境は若干変わりつつある。まず中国が高騰する不動産価格抑制に動き出した。先物市場はすぐに反応、コモデティ全般が下げに転じている。
又、高騰を続けていた石炭価格も中国国内市場で7週連続して下げてきており、原油市場も50ドル台に載せたものの、シェールオイル等の増産傾向により価格的には頭打ちとなっている。但し原料炭、鉄鉱石共高値での契約残を抱えており、鋼材への価格転嫁を急いではいるが、市況的には踊り場に差し掛かった様にも思われる。高炉メーカーは少しでもコスト削減させる為に転炉でのスクラップ使用量を増やし10月の使用量は90万トンと2年5か月ぶりの高水準となっている。トランプ効果で円安も進み鉄鋼メーカーや自動車メーカー等の輸出企業はその恩恵を享受してはいるが、もともとアメリカ第一と米企業の保護政策を掲げるトランプであるので、今の経済状況はいいとこ取りのトランプユーフォリア(根拠のない過度の幸福感)に浸っているだけではないだろうか。来年度FRBのイェレンさんは3度の利上げを予定すると先日のFOMCで話し一段の円安が進み、経済界が予想していた来年度2度の利上げが3度に増えたものだから市場ではドル円は120円超えというのが大方のコンセンサスとなりつつあるが、トランプは極端な保護貿易主義者ということを頭に入れておかないと思わぬ展開も考えられる。最終的には、100円~110円どころに落ち着くのではないだろうか。トランプ政権にゴールドマンサックスの関係者が3~4名入る予定であることも株式や為替、債券市場に不気味な影を落としている。
北九州市 解体業 石川興産