2016年12月22日より500円値上げ。

取敢えずの上昇であるが、市場環境は若干変わりつつある。まず中国が高騰する不動産価格抑制に動き出した。先物市場はすぐに反応、コモデティ全般が下げに転じている。

又、高騰を続けていた石炭価格も中国国内市場で7週連続して下げてきており、原油市場も50ドル台に載せたものの、シェールオイル等の増産傾向により価格的には頭打ちとなっている。但し原料炭、鉄鉱石共高値での契約残を抱えており、鋼材への価格転嫁を急いではいるが、市況的には踊り場に差し掛かった様にも思われる。高炉メーカーは少しでもコスト削減させる為に転炉でのスクラップ使用量を増やし10月の使用量は90万トンと2年5か月ぶりの高水準となっている。トランプ効果で円安も進み鉄鋼メーカーや自動車メーカー等の輸出企業はその恩恵を享受してはいるが、もともとアメリカ第一と米企業の保護政策を掲げるトランプであるので、今の経済状況はいいとこ取りのトランプユーフォリア(根拠のない過度の幸福感)に浸っているだけではないだろうか。来年度FRBのイェレンさんは3度の利上げを予定すると先日のFOMCで話し一段の円安が進み、経済界が予想していた来年度2度の利上げが3度に増えたものだから市場ではドル円は120円超えというのが大方のコンセンサスとなりつつあるが、トランプは極端な保護貿易主義者ということを頭に入れておかないと思わぬ展開も考えられる。最終的には、100円~110円どころに落ち着くのではないだろうか。トランプ政権にゴールドマンサックスの関係者が3~4名入る予定であることも株式や為替、債券市場に不気味な影を落としている。

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2016年12月15日より、1000円値上げ。

 原油、原料炭等の値上がりから、世界的に商品相場の上昇が続いている。特に中国では、不動産や個人消費の好調さが続き、鉄鋼の生産量も11月の粗鋼生産量が9か月連続増の6629万トンとなって来ている。半年前までは国内需要の落ち込みから操業を停止するメーカー等も多く出ていたが、国の財政出動によるインフラ投資等により鉄鋼需要が回復、先物主導による価格上昇もあり、世界の鉄鋼関連全般が堅調な推移となっている。中国は国内的にも鉄鋼在庫が底を付いていたこともあり、価格に弾みが付いた部分もある。又、先高を見込んで過剰生産や過剰在庫といった需要の先食いの動きも多く見られ、またかといった処である。今回の相場は、中国の財政投資に先物主導で価格上昇が始まったが、その後米国次期大統領にトランプが決まったということで、更なる弾みをつけたといったところだ。トランプの企業減税、10年間で10兆ドル(1100兆円)にも上るインフラ投資等まだ決まった訳ではないが、好調な米国経済をさらに上昇させようとする政策に、世界の投資家が好感し動き始めた。(判らないところがいいらしい)中国経済は11月の個人消費が前年同月比10.8%増となり、今のところは好調さを維持してはいるが、(11月は独身者の日のインターネットでの爆買いや年末までの小型車減税の駆け込み等があった)一方、資本流出、不動産バブル、過剰債務、元安による物価上昇と無視出来ない問題も多くあり、又、鉄鋼の需要の先食い等の過剰生産等も始まっており、この先、米利上げが続くようだと、株式や不動産の暴落に繋がり中国経済は大打撃を受けることになる。

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2016年12月13日より500円値上げ。

 中国の先物主導の値上がりと、景気対策としての公共投資により現物市場も堅調な推移となっている。米コンポジットプライスもトルコ向けの値上がりから大幅な上昇相場となっており、それが日本市場の輸出価格の上昇に繋がっている。又、トランプ効果により、この一か月で世界の株式市場は2兆ドル(230兆円)増加し時価総額は70兆ドル(8000兆円)を回復した。米10年債利回りも1.8%から2,4%に上昇、100円前後だったドル円相場は半値戻しの112.44円は一気に駆け抜け、節である61.8%戻しの115円61銭も本日通過、あとは全値戻しの125円86銭だが   

これはちょっと難しいと思われる。これにより輸出企業にとっては思わぬ増益として恩恵を受けている。今3月期は大幅増益となり、それが株高に繋がることになる。しかし中国発の値上がりも、国策による不動産価格の上昇から先物が急騰し、現物に繋がっている訳だが、外貨準備高の減少は継続しており、不動産にしても飽和状態の中での国による価格上昇策であることから、いつまでも続くとは考えられない。現況は中国も人民元安で一息ついてはいるが、これもトランプの経済政策の思惑買いがいつまで続くかの一言である。トランプの企業減税や大規模な税制改革、規制緩和等から景気上昇が始まるという期待から株価が上昇し、ドル高円安も進んできているが、株の世界の格言通り「思惑で買い事実で売る」相場となりそうである。冷静に考えるとトランプの政策は「アメリカファースト」であり保護貿易主義である。米企業にとってはドル安がいいに決まっており、そのうち今のドル高を打ち消すような政策等を出してくるのではなかろうか。

中国の2020年には鉄鋼備蓄量100億トン、発生量2億トンは鉄スクラップ業を考える上で決して無視出来ない数字である。

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