遠吠え通信迷惑版(2017年1月)

*世界の波乱は続く。

 皆様明けましておめでとうございます。昨年は英国のユーロ離脱、トランプ大統領の誕生(本年1月20日に就任)、これらは世界的にポピュリズムの台頭によってもたらせられました。本年も昨年に変わらないというか、昨年以上に波乱な世界になる可能性は大いにあると思われます。

 何故ここまでに世界は混乱したのか、それは米国大統領の「米国は世界の警察官ではない」発言や「アラブの春」政策で独裁者を排除しょうとした政策の為でしょう。確かにリビアのガダフィ大佐等2~3の排除にはなりましたが、その後の中東はどうでしょうか。何千万もの死者、難民が生まれ大変な状況となっています。口先介入して民衆を扇動し、武器を提供するだけの弱腰外交で中東以外のロシアや中国の他国領土、領海への進出を許しました。IS等イスラム過激派の台頭も許してしまいました。

*さて本年は。

 本年は、トランプ新大統領を軸に、プーチン、習近平の動向が世界を動かして行くことになるでしょう。又、本年主要国の選挙が多くあるユーロ圏もポピュリズムの躍進等があれば、より混乱が生じることも大いにあります。

 その中で、トランプとプーチンは、新米ロ関係を築けそうな雰囲気ではあるが、内外の嫌われ者化して来ている習近平にとっては、より波乱な年となる可能性は大である。中国経済自体も米国の政策次第では、クラッシュすることもあり得る正念場の年となりそうである。

*ゲルマン民族大移動~ローマ帝国滅亡。

 ポピュリズム勢力が台頭中のユーロも波乱の目であることは間違いない。今年は独、仏、伊等の主要国の選挙が続き落ち着きのない状況が継続しそうだ。

 ユーロ圏への大量のイスラム移民流入は、4世紀にあったゲルマン民族大移動を彷彿させる。モンゴル・匈奴系のフン族の襲来により、追われたゲルマン民族がローマ帝国内に断続的に大量流入した為に、西ローマ帝国がまず滅亡、その後のローマ帝国の滅亡に繋がった。

 ゲルマン民族は、当時は蛮族であったが、白人系であったのでローマ人やスラブ人と同化してしまったが、今回のイスラム難民は人種も宗教も違うところから混乱は長く続きそうである。その為、他民族に排他的なポピュリズム勢力の台頭躍進が続くことになりそうだ。脱グローバリゼイションの流れに要警戒。

*日本経済は如何に。

 我が日本経済も、相変わらず他力本願の動きとなりそうである。トランプ率いる米経済と外交政策がどうなるかによって大きく左右されそうである。

 プラス面では、大規模なインフラ投資、法人税減税、規制緩和等で米経済を上昇させ、企業の海外移転阻止等により雇用確保を図る等、軍事面を含め強いアメリカを目指す政策であるので、当然米金利は上昇しドル高になる。これは表面的に見れば大いに日本経済にとってプラス要因であるが、一方トランプが当選出来たのは、米企業の利益を優先し、白人労働者達の雇用と生活を向上させるとの公約と支持者たちの期待とで当選出来たのであるから、この公約を捨てることは絶対に出来ない。米企業や労働者に取って何が一番プラスとなるのかというと、ドル安となり競争力が上昇することである。

*やはりドル安円高政策か。

 トランプの金融為替政策がどうなるのか、それによって日本経済の状況も大きく変わってくる。日本政府や企業が期待したTPPも米国は参加してこないので、1月20日に大統領に就任してから米議会がトランプの政策を、どの程度承認して行くのかによって変わってくるものと思われる。レガノミクスで有名なレーガン大統領の2期目には、それまでの積極財政出動が災いして、大きな双子の赤字を抱えた過去もあるので、議会等はかなり慎重な対応になるのではないだろうか。ただ、その分、対米輸入超過国の中国や日本、メキシコ、ドイツ等に対しては、為替や関税等での圧力が考えられる。

*日本のやるべきこと。

 世界が混乱する中で日本がやるべきことは、景気対策は勿論、力を入れるべきことは、若者たちが暮らし易い国にすること、普通に結婚し家庭を持ち、子作り出来る環境を整えてやることが日本という国を発展さす為に是非とも必要なことであると強く訴えたい。現在安倍内閣が進めている同一労働同一賃金政策等をもっと発展的に拡大させて行かなければ、日本の人口はさらに減少し、経済のファンダメンタルズも低下して行くことになる。

*企業のあるべき姿。

 まず大企業は、利益至上主義を放棄するべきである。いかに国や国民に貢献出来ているかを企業評価の第一に上げるべきである。出来るだけ正社員を雇用し内部留保をため込むだけの企業は貢献出来ていない企業として評価を下げるべきである。こういう変化をして行かないとポピュリズムという世界の潮流に日本も飲み込まれることになるかも知れない。*何を左よりのことをと思われる方もおられようが、共産党と共産党員だけの国を作ろうとする左とはちがいます。日本という国と国民の為の願いをこめた提案です。

 今年も頑張りましょう。

 北九州市 解体業 石川興産