4月14日より早くも5回目の値下げで、3500円の値下がりとなり、中国の鉄鋼市況悪化の影響が世界中に伝播している。本年秋には5年に1度開かれる中国共産党大会に向けて習近平政権としては、好景気を維持し、より国民の支持を取り付けたいところであるが何度となく打った景気対策も大した波及効果を生むこともなく、却って不良債権ばかりが膨れ上がる状況となり負のスパイラルが拡大している。過剰設備と過剰債務、この2つの負の遺産がどうにかならないことには中国経済は長いトンネルに入ってしまうことになりそうだ。又、ここに来ての対米の輸出超過問題に対しても、これからの対応となり、生命線である対米輸出を制限されることになると、命綱の一つである外貨獲得にも大きな支障が生じることになる。これまで急成長したツケが一気に表面化してきたというのが現在の中国の状況ではないだろうか。又、巨大化した軍事費、治安維持費もこうなると大きな負担となり経済悪化に拍車をかけることになる。鉄スクラップ業界も鉄鋼業界の悪化に即影響を受けることになるが、一番の気がかりは、これから中国がスクラップの輸出国として台頭してくることであり、年間1億トン以上といわれる発生量からして、これもまた世界的に大きな悪影響を与えそうな嫌な予感がしているのは私だけではないようだ。ここに来て集荷網も整備されつつあり、これからは国内消費だけでは賄い出来ず、多くは輸出ということになってくるので、その量は今後増加の一途となってくることになる。それに合わせたスクラップ業としての在り方も大きな課題となる。
北九州市 解体業 石川興産