9月1日に続いての輸出価格に対する調整値上げである。今回中国の杭州で行われたG20で中国が抱える過剰生産や過剰債務といった構造問題が取上げられ、近々その問題を協議する世界フォーラムが開催される予定となったが、中国の国内事情(失業問題、想像を超える巨額債務、資本流出問題)を考えると、すぐに解決出来る問題は何もないと思われる。そういう観点から見れば、この先も安値輸出が継続するであろうし、公共投資で持たせている中国経済が2~3年で浮揚してくることも考えられない。内情は民間企業の大量倒産が続いており、浮揚より更なる下落の可能性の方が強いと思われる。
日本経済はどうかというと、日本は貿易立国である。為替は円安がいいし、相手先の世界経済も安定していなくてはならないが、現在は為替も世界経済も日本経済にとっていい方向性にあるとは言えない状況が続いているし、短期的には浮揚を期待する状況にはない。では為替はどうかというと、米国の利上げ期待から、104円台まで戻していたが、その米国も8月雇用統計が予想より悪く、又、今年は大統領選を控えていることもあり、政治的にドル安を望む圧力もあるところから、早期利上げは難しいと思われる。又、ドル高は新興国や商品相場に悪影響を与え、不安定な世界経済を更に悪化させる可能性もある。ということで、米利上げがない場合、円は円安に向かうことは難しく、120円台を付けてから先日100円割れまで円高が進行するなど、現況は円高へのバイアスが掛かり易い展開となっている。そういう状況下では日本経済だけが浮揚するのは難しく、商品相場も含め一進一退が続くものと思われる。
北九州市 解体業 石川興産