No.54-遠吠え通信迷惑版

遠吠え通信迷惑版(H29、7,2)

*規制改革と官僚の反乱~都議選大惨敗。

 規制改革を進める安倍さんに、加計問題等で官僚の抵抗が始まっている。この問題は加計理事長が安倍さんのお友達ということで、殊更、野党やマスコミの攻撃を生んでいるが国家戦略特区ということで考えれば、今治市の獣医学科というのは、そんなに非難される問題ではなく、安倍さんと加計学院を悪の繋がりとする方が不自然と思われる。この問題は、規制を進め天下り先を多く作ろうとする官僚たちの悪だくみを断ち切るための規制改革を妨害する企みに他ならず、それに野党やマスコミが、あることないことを大げさに騒ぎ立て、安倍さんの足を引っ張り回しているところである。只、残念なことに安倍内閣や安倍チルドレンといわれる議員の中に、問題発言や問題行為が相次ぎ

都議選の大惨敗に繋がった。特にたびたび問題となる稲田防衛大臣は、出来るだけ早く辞めて貰うべきである。森友学園問題も、この人のご主人が学園の顧問弁護士をしており、安倍夫妻もうまく利用されたという張本人でもある。米国からも防衛大臣を代えろという要望もあるらしい。

*トランプ大統領とダークサイドの逆襲~宮家邦彦著

 政治経済の評論家は数多くいるが、話題になろうと刺激的な言葉で、いい加減なことを流布するマスコミや評論家たちが多くいる中で、物事の本質を捉えていると思われるのが、元外務官僚の宮家邦彦さん、読まれている方も多くおられると思われるが,是非とも照会したい。

*2004年にあった中国の危険な徴候。

 中国のことで、私が一番気になっていたのは、2004年に出された中国人民解放軍の文書です。2002年に中国では江沢民が総書記を辞めたのですが、中国軍事委員会の主席にはずっと居座っていました。2002年に胡錦濤が総書記になり、その2年後、2004年に中央軍事委員会の主席になります。その2004年に人民解放軍が新しいコンセプトを発表しました。それは「新世紀の新たな解放軍の歴史的使命」というタイトルの文書で要約すればこういう内容です。

「今まで中国は自国の領域だけを守っていたけれども、今や中国の経済的な権益は領域に限られず、世界に広がっている。従って、人民解放軍もその権益を守らなければいけない」そう言って外に向かい始めることを主張していたんです。私はこの2004年の文書は大事だと思っています。実に危険な徴候でした。それが実行されていくわけですが、一つは、2008年12月に中国の公船の2隻が我が国の尖閣諸島周辺の領海内に侵入した。これも重要な徴候でした。

その後、特に国際的に最も大きな問題は南シナ海における人工島建設でしょう。

フィリピンの提訴を受け、2016年7月12日に、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所は、「南シナ海に中国が独自の「九段線」なる境界線を引き、遂には岩を埋め立てて人工島まで作ったが、そうした中国の主張には国際法的根拠はない」という判断を下しました。それに対して、中国は反発を強めている。

*私はこの事件を「中国の満州事変」だと言っています。

 国際法上の根拠なく人工島づくりを強行したのが「満州事変」、今回の常設仲裁裁判所の判断が「リットン調査団が出した報告書」です。じゃあ、次は国連脱退かと、こういう話なんです。中国はこれからも国際社会に背を向けていくのかどうか。その位大きな、国際社会を敵に回すような愚行をやりかねないという意味では、今回人工島を作ったこと自体が、東アジアの地政学的環境全てを変えてしまったとすら言えます。恐らく人民解放軍は、2004年に決めたことを忠実に実行してここまで進めてきたのでしょうが、その結果、世界を敵に回してしまうことになった。ロシアのクリミア併合に匹敵する中国の事件。それが南シナ海における人工島の埋め立てです。

*「力の空白」

 なぜ、中国は「人工島」をつくろうとしたのでしょう。それを考えるためには、「力の空白」という考えが有効です。ある地域で「力の空白」ができると、必ずそこに空白を埋める力がかかってくる。・・・(中東地域の力の空白問題)・・・国際政治の大きな流れは「力の空白」で見ていかなければいけないということです。南シナ海の人工島問題に戻りましょう。1990年代に南シナ海で何が起きたかといえば、フィリピンの基地使用協定をフィリピンの上院が批准を拒否したために、米軍が1991年にフィリピンから出ていくわけです。その結果、フイリッピンのスービック海軍基地とクラーク空軍基地から米軍がいなくなり、南シナ海に巨大な「力の空白」が出来、それを中国が埋めることになった。

 今の南シナ海問題の大半は、1991年に始まっていると考えて良い。それが現在に至っているのです。徴候には、見えるものと見えないものがあります。目に見える徴候は軍事的な侵入などです。見えない徴候が「力の空白」です。軍隊が撤退する結果、そこに「力の空白」が生まれて、その次のパワーシフトを引き起こすのです。要するに、見えるものと見えないもの、両方を考えていくべきということです。

*今後、トランプ大統領の政策によっては、「力の空白」が世界中で生まれることもあるのでしょうか。

 極端な話、トランプ氏の選挙中の公約がそのまま実行され、同盟国が経費を負担しなければ米軍は撤退するとなれば、欧州、中東、アジアに巨大な「力の空白」が生まれます。その時はアメリカが「グローバルパワー」であることをやめるときですが、そうなれば、アメリカは偉大ではなくなります。それをトランプ氏が理解できないとは思いません。

*等、一部ご照会致しました。中々鋭く、歴史的な観点からも現在の問題を考えた一冊だと思います。是非読んでみて下さい。

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