No.44-遠吠え通信迷惑版

遠吠え通信迷惑版(H28・8・8)

*高炉メーカー、ついに赤字転落。(中国輸出量増加)

 日本の高炉メーカーも4~6月期で、ついに赤字転落となった。中国の安値輸出攻勢もあるが、ここにきての円高が大きな要因であることは間違いない。

 まず中国の安値攻勢に付いては、中国政府の減産表明とは裏腹に、現在のところ輸出攻勢が収まっておらず、1~6月期の鋼材輸出量は、前年同期比9%増の5712万トンと逆に増加している。

 米、欧、アセアン諸国もセーフガード等で中国鋼材の流入を水際で懸命に防いではいるが、その間隙を縫って世界中に拡販させている。

 現在は先物主導で価格的には底打ちから反転気味ではあるが、実需はと見ると、7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、民間投資の落ち込みから49,9と下落傾向が続いている。

 従って鋼材の国内需要も低下してきており、その分輸出への振り向けが継続している。

*中国の資本流失抑制が鋼材の輸出増に繋がっている。

 中国政府は、国際社会に対しては口先では減産するとは言ってはいるが、いつも通りの口先だけの逃げ口上に過ぎないことは、これまでの中国政府のヤリ口から明らかである。

 中国の生産削減というのは、設備廃棄ではなく、設備はそのままにして、生産量だけ削減させるものであり、相場が好転してくると、すぐに増産に走っており、とても本気で国際協調する気等サラサラない様に思われる。

 又、その根本にあるものは、中国からの「資本流出阻止」があり、外貨流出を規制すると共に、外貨獲得の為の輸出を奨励する政策を最優先としている限りは鉄鋼輸出が改善することはないと思われる。

 中国の場合、輸出代金の全てが国庫に入り、輸出企業には人民元で支払いが行われる。又、ほとんどの国営企業は巨大な債務を抱えており、その業績や先行きに関係なく必要な資金は人民銀行より拠出されている。中国企業の債務が膨らみ続ける要因がここにあるようだ。

*国営企業への無制限の資金提供は輸出補助金と同じだ。

 従って中国の安値鋼材輸出は、政府の援助で行われているのと同じことであり、これはWTO(世界輸出機構)の国家が輸出品に補助金を付けるという「反ダンピング法」に抵触するものであり、各国はいつでも中国製品の輸入を拒絶出来る状態にはあるようだ。

 

円高とヘリコプターマネー。

もう一つの大きな問題は円高にあり、世界経済が低迷状態にある現在、日本単独で金融政策や経済対策を打って出ても効果は限定的であり、円高で企業業績の悪化が見込まれ株安、円高に振れやすい状況にある。

今回、政府が出した経済対策も事業規模28,1兆円と期待より小ぶりであり、又なんといっても、国と地方の直接の財政支出といえる「真水」部分が7,5兆円では株式、為替とも反応の仕様がない。

「ヘリコプターマネー」

折角,前FRB議長のバーナンキ博士や世界的経済学者のクルーグマン博士を招いてヘリコプターマネーの講義を受けたのであるから、政府日銀は何か前向きな話を出しても良かったのではないだろうか。

日本は借金が多く、赤字国債を安易に増発することは出来ない。*ヘリコプターマネー論を最初に論じたのはM・フリードマン博士。

ここは、日銀がお札を刷って、インフラ整備等の公共工事により経済の活性化を図る。これをヘリコプターマネーで賄っていく。又、償還の来た国債や国債金利をヘリコプターマネーで肩代わりして行く、国の借金は減り、その分を他の分野に有効的に回すことで、経済の活性化に繋がっていくものと思われる。

*大胆な規制緩和で、利権議員の排除を。

 もう一つ大切なことは大胆な規制緩和が経済の活性化の為には是非必要である。TPPもその一つであるが、戦後産業保護の為、数々の規制が設けられたが、多くはすでに必要はなく、むしろ発展の阻害となっているのと、利権議員の悪の温床と化している。

この規制緩和こそ、安倍首相には頑張って貰いたいものである。

*世界景気と米大統領選。

 世界景気は、現在米一強状態となっており、今後は米景気の先行きがどうなるかによって、日、欧の景気もより影響を受けることになる。5月の雇用統計が予想外の低調で本年の利上げは無いと思われていたが、6月、7月と非農業部門の雇用者数が、市場予測を大きく上回り、一度は引っ込んでいた利上げ機運が再び頭をもたげて来たようだ。

 但し、中国経済の減速、英国のEU離脱、南欧の銀行の不良債権問題等のマイナス要因も無視出来ず、先行きは依然不透明な状況が継続して行くことになる。

「米、大統領選」

 更に不透明な要因の最たるものは米大統領選だ。当初泡沫候補と思われていたトランプが過激発言を繰り返し不満の溜まっていた白人の低所得者層の支持を集め、とうとう共和党の大統領候補まで来てしまった。米大統領イコール世界の指導者ですよ。米国は一体どうしたのといった気分の悪さである。まさか地球の終焉が来ている訳でもあるまいが、まるでバットマンのゴッサムシティ(衆愚の町)の極悪人を見ているようだ。

 

 最終的にはヒラリーが米国初の女性大統領になり、お金を使い果たしたトランプは5度目の破産をすることになるのだろうが、とんだお騒がせのリスク要因である。

*中国人が語る「憲法改正」の必要性。・・・孫向文(中国浙江省出身の漫画家、近著に「中国のもっとヤバい正体」等、漢族の33歳。)

 ・・・僕は今回の選挙前から「ジャパニズム」という雑誌に「大和撫子が行く!」という国家やイデオロギーを擬人化し、日本を取り巻く国際情勢を風刺した漫画を連載しています。連載のいくつかは拙著「中国人が見たここがへんだよ日本人」に収録されています。当コラムと同じく野党や安保反対団体の主張の矛盾点、憲法9条信仰の馬鹿々々しさを描いています。・・・あるところに住む「撫子ちゃん」(日本)という少女の家は、現在「支那太狼」というワルパンダ(中国)など近所の住民から毎日嫌がらせを受けています。撫子ちゃんの恋人「自民くん」は、彼女を守るために家のセキュリティシステムを強化しょうとしているのですが、撫子ちゃんを略奪したい「民進くん」「共産くん」「社民くん」「生活くん」たち4人は手を組んで自民くんを別れさせることを計画しました。・・・この4人はさんざん自民くんの悪口を撫子ちゃんに吹き込みましたが、自民くんを蹴落とすことばかり考えて撫子ちゃんを幸せにすることなど考えていない4人を撫子ちゃんは信用しませんでした。しかも仕返しを恐れて支那太狼たちにこびへつらう一方です。つまり自民くんと付き合うことが撫子ちゃんにとって一番幸せなことです。・・・もし憲法改正が実現したら、僕が切望する改正案は「憲法9条を削減し、自衛隊を(日本国防軍)として再建する」「共産党禁止法」を制定して共産主義を唱える政党や団体の活動を一切禁止する。というものです。このような意見を述べると「軍国主義」「極右思想」などと反対される方は多いかもしれません。しかし、現行の憲法9条下では有事の際の戦闘行為はおろか、自分が攻撃されたときの防衛行為さえままなりません。僕は日本国民と隊員の生命を守るために自衛隊を「普通」の軍隊にするべきだと考えます。文革時の中国、またはかつての旧ソ連やカンボジアを見れば共産主義は大量の殺戮と貧困をもたらすだけの危険思想です。国家にとって共産主義が不必要なことは、共産主義禁止法が制定されたウクライナや左派系政党が危険視されているアメリカの政治が正常に機能していることからも明らかです。カルト宗教と同じく共産党は徹底的に弾圧するべきです。今回僕は批判を承知で明確な持論を述べました。僕は憲法改正こそが、日本がアメリカの影響下から脱却しさらなる発展をとげる機会になると思います。・・・孫向文

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