No.34-遠吠え通信迷惑版

*中国、粗鋼減産だが需要の落ち込み大きく輸出は増加か。
2015年の中国の粗鋼生産は、34年ぶりに減少して8億383万トン(前年比2.3%減)となった。2016年予想は7億8100万トン(前年比2.8%減)となっているが国内需要予想は6億4800万トン(前年比3%減)となっており、その需給ギャップは1億3300万トンと2015年の鋼材輸出1億1240万トンから見れば減るどころか逆に増加することになる。

2016年は中国経済の悪化もさる事ながら、世界全体も新興国、資源国中心に悪化して来ており、予想されている鉄鋼需要は数字よりも悪化するものと思われる。
その世界の鉄鋼需要はというと、2015年は前年比1.7%減の16億3500万トンと6年ぶり減少した。2016年は、0.9%増の16億3700万トンとなっているが、現況を見る限り昨年より増加ということは考えられない。

中国はというと、昨年からチグハグな経済政策で国内はもとより世界を大混乱させているが、こと鉄鋼業界の対策にしても過剰な設備と過剰な債務に対して老朽工場、設備の廃棄と中小の業者を自然淘汰させてはいるが、逆に国営企業では国の内外で新規設備の増設にさせるなど世界的にシェアを維持させながら、中国政府が推し進める一帯一路(ワンベルトワンロード)政策に繋いでいき、より中国製品のシェアアップを図って来るものと思われる。

この度開業したAIIB(アジアインフラ投資銀行)も、中国の商圏拡大を主たる目的にしたもので、中国マネー目当てに集まった国々(主として英を始めとするユーロ諸国等)にとっては利用されるだけのことになりそうである。

中国のこの過剰過ぎる鉄鋼輸出は、すでに各国で反ダンピング法などの通商摩擦となって来ており、日米欧政府もWTO(世界貿易機構)に強制力を持った提訴も視野に入れながら、4月にはOECD(経済協力開発機構)に於いて中国も出席させての緊急閣僚会議を開催することが決まっている。

しかし中国はと見ると、政治、経済、人権問題、国境線の現状変更に対して、全ての面で聞く耳持たずといった対応であり、信用も期待も出来ない共産党独裁国家ということを認識しなくてはならない。

*今の経済混乱は、米の中・ロつぶしか!!
今日の世界経済波乱は、中国経済の大減速、米国の金融政策の変更が要因となり原油価格急落、新興国、資源国経済の悪化等が問題となっており、それらの問題の中心は中身も先行きも雲の中の中国経済も大問題であるが、不可解なのが米国の金融政策で、果たして世界経済が混乱している中で、あえて金利引上げをしなければならないのかということである。

米雇用統計を見る限り、米経済が堅調であるというのは理解出来るが、金利を上げなければならない程のインフレの芽があるわけでもなく、中国経済がハードランディングするのではという状況下で世界経済が混乱する中での、米利上げは、新興国、資源国にとって米国に資金が還流を始めると同時に、資源価格は下落し、通貨も下落するという2重3重の苦難が襲って来ることになる。

その中で、一番手痛い打撃を受けるのはどこかということを考えると、ブラジル等新興国も大変であるが、最も大変な状況となるのは、欧米から経済制裁を受けているロシアということになる。次に世界経済停滞となって困る国は過剰設備、過剰債務を抱え過ぎている中国ということになる。

その米国は、本年も引き続き金利の引上げを予定しており、このような状況下更なる金利引き上げは、両国にとってより経済的に追い込まれていくことになりそうである。又、米国は戦略的処置としてこれまで原油の輸出は禁止されていたが、この度それを解禁した。

更に、パーレビ国王追放後、国交断絶し、ここ何年かは核開発を巡って経済封鎖していたイランと核合意したことにはなっているが、経済封鎖を解き大産油国のイラン原油の市場への参入を許した。これにより値下がりしている原油価格の先行きはいよいよと期待薄となってしまい資源国にとっては死活問題となっている。

このような状況が仮に本年中続いた場合、来年あたりロシアはデフォルト、中国は国民の不満が溜まりに溜まって何か起こる可能性もある。旧ソ連を軍拡競争で疲弊させ、経済破綻からソ連共産党を倒し、又、第二次大戦の切っ掛けとなったのも日本への経済封鎖であった。戦後日本が経済的に大いに躍進したときに株式相場を3万8000円台まで押上げ、その後1万円前後まで暴落させたのも演出したのは欧米系のファンドであった。その後日本経済は失われた20年といわれるほどの停滞期が続いた。

*同一賃金同一労働(1億総活躍社会)トリクルダウン実現に向けて。
雇用形態に拘らず職務内容に基づき同じ賃金を確保されるという「同一労働同一賃金」
正規雇用も非正規雇用も、女性も同じ仕事をしているのであれば賃金格差をなくそうというものだ。何事も完全にというのは無理であるが、同じ国民であれば、なるべく格差をなくすべきというのが安倍首相のトリクルダウンの構想である。

これが企業の協力を得てある程度実現出来るのであれば、少子化問題、若者達の低収入問題、女性の地位向上問題、地方再生問題と多くの問題の解決の糸口となりそうである。

現在法人企業の内部留保は約400兆円と言われている。その中のある程度は派遣社員等の低賃金で蓄えたものであるならば、企業の社会的責任上、日本国の発展、国民の生活向上のために、ここは一肌脱ぐべきであろう。それが社会的な貢献ともなり企業のイメージアップに繋がるのである。

小泉首相のころ、竹中平蔵経済担当相(?)の進言で派遣法が改正され、企業の国際競争力確保のため安い労働力が必要だということで、多くの正社員の首が切られ、賃金の安い非正規社員が大量に生まれた。これにより若年層の低所得化が一気に加速した。

企業が世界で戦う為には低コスト体質は確かに必要であるが、個人所得を増やすということは、個人消費の増加にも繋がり内需拡大にも繋がることである。日本が何故個人消費が良くならないのかと言うのは、要因はこんなところにあるのかも知れない。

個人消費が増えるということは、内需拡大に繋がり企業利益にも繋がることである。各企業さんは、国及び国民をより豊かにしたいという安倍内閣の政策に共鳴して是非協力して頂きたい大きな課題である。

現在、中国経済の停滞入りと米国の金融政策の変更、イスラム圏中心の地政学的リスク等で経済運営はとても大変な状態ですが、安倍さんは国と国民の幸せを第一として必死に頑張っています。20年の経済停滞で日本経済は本当に追い込まれていました。私は安倍さんという方はそこで登場した救世主と思っています。他に日本を任せられる政治家は日本にはいません。安倍さんを応援しましょう。

北九州市 解体業 石川興産