マーケッットトピックス H31.1.28

*米国のノーベル賞経済学者、ポール・クルーグマン氏のNYタイムズ紙への
「世界経済に対する4つの脅威。」についての寄稿文。

*「中国」・・・過大な投資と消費の減退という、非常に不均衡な状況に置かれている。建設事業の拡大や銀行の信用問題への対処で幾度か危機を乗り越えてきた。だが、これまでの回復過程を省みると、回復力を信頼しにくい。製造業関連の指標悪化も状況の厳しさを示している。中国での問題発生は、世界へ波及すると考えられる。大豆や石油の大口消費国である中国の経済失速は、米国の農家やエネルギー業者にとっても不幸な出来事となる。

*「欧州」・・・高齢化やドイツの財政黒字化に対する強迫観念という潜在的な経済の脆弱性をユーロ危機からの回復が覆い隠してきた。だが、英・欧州連合(EU)離脱=ブレクジットの不透明感や、ジリジリ進行するイタリアの危機が信頼感を損ない、幸運な流れは途絶えるだろう。中国同様、最近の指標もさえない。また、中国と同様に、大きな経済圏である欧州の躓きは、米国を含めたすべての人々に影響しそうだ。

*「貿易戦争」・・・保護主義は過去のものとの前提で、世界中の企業が膨大な金額を投資してきた。だが、トランプ米大統領が高い関税を賦課し、既存の貿易協定の趣旨に反する姿勢を示している。現時点で、多くの企業のトップは米中が合意に至ると見ている。だが、強硬派の行動によってそのセンチメントが急変することはありうる。

*「政府機関閉鎖」・・・これは連邦政府の職員が給与をもらえないだけの話ではない。フードスタンプが受給者にいきわたらなくなる混乱だけでもない。生活のあらゆる面で混乱を引き起こす。閉鎖による損失コストは低く見積もられ過ぎている。貿易戦争と同様に企業トップは、閉鎖が間もなく収拾すると信じている。だが、何か月も続く可能性もあり、投資や雇用に与える影響は計り知れない。

*良いニュースがあるとしたら、これらのマイナスがあっても、2008年の危機ほどにはならないだろうという点。一方、事態が悪化した際、当局者が対応できるかどうか明らかではないという悪いニュースもある。金融政策においては、FRBに利下げ余地が乏しい。マイナス金利の欧州にはまったく余地がない。財政政策に関しては、無意味な壁のために連邦職員を人質にしている大統領が、賢明な刺激策を講じることが望めるだろうか。欧州では、財政支出の提案にドイツが「ナイ(いいえ)」を突きつけるだろう。以上がグルーグマン経済博士の寄稿文ですが、その後連邦政府閉鎖は35日間と期限つきであるが再開した。トランプ大統領は選挙公約である壁建設は再び持ち出してくることは間違いなく、先々更なる混乱も予測される。又、中国との貿易戦争はある程度は歩み寄るであろうが、覇権戦争はこれからであり、中国経済の落ち込みは莫大な債務の問題も含め、場合によってはかなりの落ち込みも考えられる。この場合一番影響を受けるのはユーロとなる。:メキシコ国境から大勢のマフィアや麻薬類が大量に持ち込まれているのは間違いなく、壁位はいるのではと思うがどうでしょうか。