マーケットトピックスH30.8.31

*中国スクラップ過去5年の最高値。特級ベース2574元(約42000円)8月末までは北京、天津地区中心に高炉操業が50%に制限され電炉鋼での生産が増加してはいたが、9月は、10月からの環境減産に備え、駆け込み増産が行われる。その為、当面は強気相場が継続されそう。

*米、貿易制裁第3弾。米は9月より中国への制裁として2000億ドル相当の追加関税を実施する。新興国通貨も実質破たん状態にあるベネズエラの他にアルゼンチンが政策金利を15%引き上げて年60%に設定、1ドル=41,36ペソまで下落している。トルコリラ、南アランドも最安値を更新中。ただ、ドル高新興国通貨安となっている、米利上げもトランプ大統領がドル高金利高を嫌う発言を繰り返しており、FRBが予定している今年2回、来年2回といわれる利上げも微妙な情勢となりつつある。

*原油、再び70ドル台へ。11月に発動する米のイランへの経済制裁で、日本やユーロ等の原油取引中止に伴って、イランの産油量が減少、ベネズエラの原油輸出も大幅に減少して、需給ひっ迫懸念から原油価格が続伸した。

*中国経済難しいかじ取り。貿易戦争下、習政権は過剰債務解消(デレバレッジ)も目指している、特にシャドウバンキング(影の銀行)の規制を強化している。その為一部企業ではすでに資金繰りに窮しており、中国の今年1月~6月の社債のデフォルト(債務不履行)は前年同期比36%増の約190億元(約3100億円)となっている。今後貿易戦争が長引けば、更に数倍規模のデフォルトが起こるものと思われる。

*新興国も相当厳しくなる。低金利で資金調達を図っていた新興国に、今後3年間で毎年100兆円を超える債権の償還を迎える。ドル高で新興国資金が流出する中、借り換えとして、より高金利の債権を発行することになり、通貨安、金利高により経済的な厳しさが増すことになる。償還額の多くを占める中国では、今後3年間に1兆7531億ドル(195兆円)と新興国全体の54%になる。現在の中国の外貨準備高は3兆1121億ドル(約342兆円)となっている。

*米、利上げ打ち止めか。FRBのパウエル議長はジャックソンホール(世界の中央銀行関係者の集い)で「インフレが2%を超えて過熱するリスクは見えない」と発言し、市場では米国の利上げ打ち止めが近づいているという見方が広がった。*トランプ大統領がFRBの利上げ継続路線を批判していた。*米FRB高官「2018年の米経済は好調だが2019年と2020年は減速する可能性が大きい。」

*米利上げ打ち止めとなると、ドル高に苦しむ新興国には朗報となるが、円にとっては円高要因となり、日本やユーロについてはマイナス要因となる。

*韓国の雇用者数、7月はとうとうプラス5000人。ここ数年20万人~50万人で推移していたが、文政権の経済政策の失政から(最低賃金の値上げ等)逆に中小零細企業では雇用者数を減少させている。来年度も上げる予定となっている。