マーケットトピックス H30.8.16

*ブラックスワン理論。めったに起こらないが、壊滅的被害をもたらす事象のこと。

中国との貿易戦争もそうだが、トルコとの拘束されている牧師をめぐっての争いは、新興国全体に大きな影響が及ぼうとしている。この争いがトルコリラの下落だけでなく新興国通貨全体が下落の動きとなって来ている。トルコリラは対米ドルで昨年より50%下落の1ドル=7,2トルコリラ、インドルピー、アルゼンチンペソ、南アフリカランド、ロシアルーブル、ブラジルレアルも下落している。*トルコの対外債務は約4500億ドル(約50兆円)と外貨準備の4倍の規模で財政基盤のもろさが目立ち、インドネシア(ルピア)、アルゼンチン(ペソ)も外貨準備以上の対外債務を抱えており、経済制裁と米国の相次ぐ利上げにより、中国も含め経済危機が迫ってきているようだ。

*スクラップ購入価格、品種間格差広がる。中国の雑品類の輸入禁止措置により行き場を失った非鉄混入屑が、H2,H3のギロチン屑に混入されるようになった為に、国内外の電気炉メーカーの購入姿勢や検収が厳格となり、品種間の価格差が広がって来ている。韓国の現代製鉄向けの価格差も上級屑(新断屑、造船屑)とH2価格の差が4月時点で6000円であったが、7月積み価格では、本船渡し(FOB)でH2が@33000

円、新断バラが@41000円となり、価格差が8000円となっている。

*中国の粗鋼生産、過去最高水準。中国の7月の粗鋼生産は前年同月比7,2%増で過去最高の8124万トン(年率9,6億トンペース)、鋼材の生産量は、前年同月比8%増の9569万トン(年率11,4億トンペース)とかなりのハイペース生産となっている。*米国との貿易戦争以降、その対策として中国政府は従来の鉄道建設費7320億元(約12兆円)に680億元(約1兆円)積み上げ8000億元(約13兆円)とした。

積み上げ分含め鉄道建設費として鋼材の需要は200万トン以上を見込む。17年度の米国への鋼材輸出118万トンを上回る。鋼材価格もこれを受けて先物から上昇し現物価格

も夏場の環境が絡み上昇している。

*中国一帯一路のワナ。中国が国威をかけて行っている一帯一路で中央アジア諸国が多額の借金の返済に苦しみ次々と権益等を奪われている。「タジキスタン」巨額融資の見返りに資源開発権を譲渡。「トルクメニスタン」インフラやガス田開発の資金を中国からの融資で行ったが、返済の為財政が悪化、物価上昇率も前年比300%とほぼ破綻状態となり、ガス田権益を渡すことになった。「タジキスタン」は他にも発電事業の為に3億ドルの融資を受け、見返りに金鉱山の開発権を譲り渡した。「キルギス」は、発電事業に対する融資の条件として債務不履行の場合、あらゆる資産を要求できるという条項もある。中央アジアではないが、「スリランカ」も借金のかたにハンバンドタ港を99年にわたり運営する権利を譲り渡している。中国の狙いは各国の資源を安く買いたたくことにあるようだ。

*石破氏の件。総裁候補として立候補するらしいが、農水相時代獣医学会の要望で石破4条件を作成し、新しく獣医学部を作らせないようにした。派閥を解散させるべきと言いながら、この度自派閥を立ち上げた。規制を作り、言ってることと行動が伴っておらずなんとも信用ならない男として自民党内では、ほぼ相手にされていない。