マーケットトピックス H30.7.26

*銅相場下落。銅先物相場は、6月に4年半ぶりの高値である7300ドル台まで上昇したが、貿易戦争によるリスクオフモードから、1か月で約2割安の6000ドル前後まで下落した。1か月の下げ幅としては過去最大である。

*トランプ発言。・中国は私が米国の農民を愛し尊敬しているのを知っているから標的にしている。・中国の行動は悪意に満ちている。・中国は昨年5170億ドルを我々から稼いでいる。

*トランプ、ムニューシン。中国人民元の下落に為替操作の疑いがあると言及。日銀の指値オペ(日本国債買い)は間接的な円安誘導と批判。月末の日米通商会議(FFR)で対日強硬派のライトハイザー米通商代表部(USTR)代表から為替操作として追及される可能性が強い。4月の米財務省の「為替報告書」では日本は為替対象国となっている。

*IMF(国際通貨基金)予想。・中国は実質実効為替レートは概ねファンダメンタルズと一致。・ドルは中期的なファンダメンタルズにより正当化される水準と比べて8~16%過大評価されている」・円は中期的なファンダメンタルズと概ね一致と見解。

*ファンダメンタルズ~国や企業などの経済状態などを指す指標のこと。「経済の基礎的条件」と訳される。*「基礎的財政収支」はプライマリーバランス(PB).

*リセッション(景気後退)への警告。米国債券市場では、リセッション(景気後退)の到来を警告するイールドカーブのフラット化が進行中であり予断を許さない状況が続いている。トランプ大統領がFRBの利上げ路線やドル高、中国人民元安への懸念を表明したことで「アメリカファースト」としてのドル高相場や今年あと2回の利上げ見通しに暗雲が垂れ込めて来ている。

*イールドカーブのフラット化とは、長期金利と短期金利の差がなくなってくる状態で逆イールドになる前に出てくる状態をいう、景気が頂点を過ぎて下り坂になったことを意味する。*アメリカでは、過去に逆イールドになったのは、2000年と2007年で、その後ITバブル、サブプライムが起こった。

*米中等の好況に引っ張られて。2017年度の日本のスクラップ使用量も昨年より4,8%増の4205万トン、供給量も5,1%増の4243万トンであった。消費の内訳は、転炉用1034万トン(前年比2,3%増)、電炉用2566万トン(前年比5,5%)、その他643万トンであった。引締め気味であった中国は貿易戦争の悪影響を警戒し、景気拡大路線に転換した模様である。但し、中国経済の最大の問題点である金融改革は遅れ、債務問題がさらに悪化する可能性は大きい。