マーケットトピックス H30.7.22

*トランプ禁じ手。強い米経済を維持させる為、トランプはとうとう禁じ手であるFRB(米連邦準備理事会)の利上げ路線の批判を始めた。11月の中間選挙に向けて、今の好況を維持させる為、トランプは低金利とドル安を望んでおり、その為、FRBへの口先介入というタブーを犯したようだ。市場ではこの発言を警戒してドル安、円高が進み始めた。

*中央銀行の金融政策は、政治から独立しており、政治はこれに介入してはならないことになっている。

*トランプ、中国への制裁強化。中国からの全輸入品に対し制裁関税をかけることに言及、全輸入品となると制裁関税の額は5千億ドル(約56兆円)となる。

*中国共産党の世界支配を阻止せよ。漸く米国が中国の野望に気づき、やっと動き始めたということだ。米国は最近まで共産主義国家であるが、歴史的に中国に対して寛容に受け入れしていたが、現在これに対して猛烈に後悔している。中国が民主主義国家であれば、まだ救いがあるが、覇権主義を露わにし始めた共産主義国家というのは、これは受け入れ出来ない。それこそ世界人類の破滅である。

*イラン原油輸入停止へ。イラン原油は米国の経済制裁の一環で、我が国も輸入を停止することになった。この米国からの要請を履行しなければ、銀行や海運会社等が米国の銀行、企業から取引停止処分を受けることになり、官民あげて泣く泣くか。代替はサウジやアラブ首長国等が挙げられている。

*米中貿易戦争で鉄鋼特需。貿易戦争で中国からの輸入が減少した分、米国企業が日本をはじめアジア企業にスポット契約を出しているようだ。米国内では、品不足から鋼材価格が急騰しており、熱延ロール価格は昨年より4割上昇のトン当たり11万円台となっている。

*中国ステンレス鋼も超過剰生産。中国の2020年のステンレスの生産能力は4000万トン超えとなるようだ。2017年のステンレス粗鋼生産量は、世界全体で4808万トンであり、内訳は、中国2577万トン、インド349万トン、日本317万トン、

その他1565万トンとなっており、現在でも十分中国の作り過ぎが目立っているが、この先まだ国を挙げて設備投資にまい進しており、他の分野でもそうであるが、これはもう中国に対して保護貿易で自国産業の防衛を図るしかないようだ。迷惑な帝国主義国家出現である。

*中国、鉄鋼生産も過去最高水準。中国の1月~6月の粗鋼生産は過去最高水準の4億5116万トンとなった。廃止された違法鋼材「地条鋼」に代わり電気炉や転炉の増設が進み粗鋼生産が上昇中である。中国では、年間1億トン以上のスクラップの発生がありこれまでは流通網の不整備からスクラップの使用量も限られていたが、国家的に産廃物処理の見直しもあり、今後も電気炉生産というのは増えていく見込みである。本年度の粗鋼生産見込みは9億7600万トンと、やはり過剰生産である。