マーケットトピックス H30.12.3

*中国向け雑品類本年でストップ。本年で中国向けの雑品,雑線類の輸出がストップすることから、駆け込み輸出が活況を迎えている。来年度からはナゲット類や1号銅線類の受け入れのみとなることから、貿易業者の一部はナゲット設備や非鉄処理施設の設備に向かっているようだ。只、ナゲット等の処理ではビニール、廃プラ等(約20%)が多く発生することから廃棄物問題が発生する。シュレッダーダスト(ADR)でも既に処分場が逼迫しており、今後雑品類からのダストが増えてくると、現在の処理システムで賄うことは難しいと思われる。

*高炉メーカーの廃プラ処分。新日鉄住金では、廃プラスチックの処分量が累計で300万トンに達した。世界的に大問題化している廃プラスチックゴミを社会貢献の一環で受け入れ、コークス炉に投入してガス化し燃料として使用する「ケミカルリサイクル」を行っている。製鉄会社、電力会社、製紙会社、セメント会社、そしてプラスチック製造企業は、より積極的に廃プラスチックに取り組み社会貢献をし愛される企業となってほしい。又、行き先に苦慮している自動車のシュレッダーダスト(ADR)も自動車メーカーは何兆円という利益を誇るのではなく、こういうリサイクルにいくら使っているかを誇ってほしいものだ。社会貢献度の数値を株式市場でも高く評価しなければならない。

*トランプ痛い。ロシア疑惑や差別問題で叩かれ続けているトランプ大統領だが、GM(ゼネラルモータース)がトランプのもっとも熱狂的な支持基盤にあるラストベルトと呼ばれるミシガン州やオハイオ州の5つの工場の閉鎖を発表した。従業員も1,5万人の削減となるようだ。ラストベルトの復興を選挙公約に掲げ、鉄鋼、石炭、自動車産業の労働者の支持を集めていたが、ここに来てのGMの裏切り行為はトランプ大統領にとって何よりも痛いもののようだ。まさかGMが中国からの圧力に屈したとは思いたくないが、自国への進出に無理難題を突きつける共産党国家なら十分あり得る話でもある。ラストベルトの上記の産業界はトランプ誕生で多くの恩恵を受けていただけに、何らかの工作があったとおもうべきか。

*プーチンがまた蠢く。(うごめく)ロシアがウクライナとの地上戦を準備、支持率の低下から国民の目を外部に向けるために,先のクリミヤ半島侵略に続いてウクライナのロシア人居留地を占領するために、準備しているとは思われる。国内や世界の動向を現在は吟味中といったところかも知れない。先のクリミヤ半島占領では国民の支持率が大幅に上昇したために、恐らく2匹目のドジョウを狙ってのことだと思われる。ただ、ユーロが強力にウクライナを支持しているだけに、もしことが起きればユーロを巻き込んだ地上戦となる可能性もあり、世界経済に大きな影響を与えそうだ。

*中国の過剰設備が世界を不況に陥れる。鉄鋼だけに限らず、ステンレス、アルミ、化学、セメント等々、世界の生産量の過半に達している中国の過剰設備は、国内景気の落ち込みとともに、国外へダンピング輸出されてくることになる。暴落もあり得る。