マーケットトピックス R1.9.17

*サウジの石油精製施設爆撃される。14日サウジアラビア最大の国営石油会社サウジアラムコの石油精製施設2か所が無人爆撃機(ドローン)10機で爆撃された。攻撃したのは、イランの支援を受けるイェメンの反政府組織フーシ派となっているが、10機の無人機(ドローン)が1000キロ先から飛来していることから、裏にはイランのイスラム革命防衛隊が絡んでいることは間違いなく、これから攻撃されたサウジアラビアと支援国の米国、イスラエル等の報復攻撃が始まることになり、中東の混乱は拡大していくことになりそうだ。原油価格上昇、有事の円買いとなりそうだ。

*米スクラップ価格下落。世界的な景気下降から、世界一のスクラップ輸入国のトルコは米国の制裁の影響やロシアから安価なビレットの流入で電炉でのスクラップの使用量が激減、これらが米国のコンポジットプライスの下げに繋がり、この下落が世界のスクラップ価格の押し下げ要因となっている。米コンポは前週比30ドル安のHMSNO,1で218,33ドル(約23600円)(先週時点)トルコ向けCFR250ドル(先週時点)となっている。*米中貿易戦争で中国国内の景気が低下してきており、中国の8月の鉱工業生産は前年比+4,4%(予想+5,2%)、同小売売上高は、前年比+7,5%(予想+7,9%)と低下傾向が継続している。目先の見えない中、中国ではスクラップ&ビルド名目でまたも沿岸地区に1000万トン級の高炉建設が計画されており、相変わらず迷惑この上ない話が続いている。

*米、雇用統計悪化。9月6日発表の米国雇用統計での非農業部門就業者数は前月比+13,0万人増加と本年の月平均値の+15,8%を大幅に下回って来ている。しかもこの数字には、20年の国勢調査に向けた臨時政府職員2,5万人の雇用が押し上げた数字であり、これを差し引くと+10,5万人と2018年の平均値+22,3万人から見て半減したことになる。これらのことと、最近のトランプ大統領の利下げ圧力から、今月17日~18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で予想されている0,25%の利下げではなく0,5%利下げの可能性も出てきている。最近なぜかリスクオンとして円安となっているが、雇用統計の結果と米金融の状況を見ると、そんなに楽観視でいいのとなる。世界はリスクオフとなってきていると思われるがどうか。

*英ジョンソン首相手詰まり。10月末の離脱を目指していたジョンソン首相であったが4日、9日に総選挙の前倒しを議会に求めたが2度とも否決され窮地に陥っているあとEU側が再度の離脱期限延期に合意するのか。再度の国民投票か11月に総選挙で打開を図ることが出来るのか。さっぱりわかりません。斜陽続ける英国ならではの混乱だ。