マーケットトピックス R1.5.3

*ドイツまさかの脱原発からの転換か。~やはり原発は必要か。(JPプレス等

 自国の脱原発を礼賛していたドイツ国民であるが、ここに来て、原発はやはり必要ではないかという世論に変わって来ているようだ。今年3月の世論調査では、44,6%が原発必要、22%が判らない、反対は33,4%であった。

*石炭火力は世界的に廃止傾向。さまざまな発電設備で建設費、発電コストとも安価なのは石炭火力発電所であるが、地球温暖化等の環境面から建設禁止国が増加、世界的に廃止の方向となっている。 

*再生エネルギーにも問題あり。当初自然エネルギーを代替エネルギーとするとしていたが、太陽光や風力といったエネルギーは天候に左右されやすく供給が不安定であり、余剰電気の蓄電方法も見つかっていない。再生エネルギー発電は、太陽が照り続けたり、強風が吹く続けると、系統が満杯となり「大停電」になる危険性がある。その為、計画的な発電が出来ない。

 *LNG(液化天然ガス)は、比較的クリーンと言われるLNGは、コストが高過ぎ、「水力発電所」(揚力発電)の建設は自然破壊に繋がるとして昨今の状況では反対が多く建設は難しい。

 *洋上発電。洋上発電所もドイツでは超高圧送電線の建設に地域住民が反対しており話は進んでいない。

 *再生エネルギーは高価。又、代替エネルギーで進めた再生エネルギーと、そのバックアップのLNG発電所だけでは電気代が高くなり、ドイツはユーロ圏で一番高い電気料金となってしまい多くの国民からの不満が高まっている。

 *福島原発。日本も東日本大震災で福島原発が巨大津波を被り、メルトダウンを引き起こし大変な惨状となってしまったが、この原発は、米GE製の日本で一番古い原発であり、冷却用の補助発電機は海抜10m位の地点にあったのだが、想定外の津波を被り、結果炉の冷却が出来ずメルトダウンを引き起こしてしまった。これを教訓として各原子力発電所は、巨大津波や地震に耐えうる改造改築を行っており、国民の経済的負担を軽減させる為にも、やはり原子力発電所は必要である。

 *脱原発は世界の流れではない。世界では、現在も原発があり、これからも原発を増設していく国は、米国(99基)、フランス(58基)、中国(39基)、日本(36基、内、可動中9基)ロシア(35基)、インド(22基)、カナダ(19基)、英国(15基)等19か国。これから原発を計画している国は、イスラエル、インドネシア、エジプト、サウジアラビア、タイ、トルコ、ポーランド、ヨルダン、UAE等14か国が上げられる。

*中国がこれからの原発市場をリードする。今後、中国は国内だけで50基の建設を計画しているのと、英国や一帯一路事業を絡めた世界での原発建設を予定している。

*発電設備の傾向。現在の原子力発電所の傾向として、設備費が安価で安全対策も比較的簡易である「小型モジュール型原子炉」(30万kw)が注目されているが、中国は大型の発電所(100万kw)を計画している。

 

*米中貿易協議行き詰まりか。(5月2日)米中貿易協議が行き詰ったとの話が出回り、株式、原油先物等コモデティ相場が軒並み売られた。株安→金利上昇→商品相場下落→資源国通貨安の動きとなっている。

*日米通商協議の結論延期。トランプ大統領は7月に参院選を控える安倍首相に配慮して、通商協議の結論を延期した。この影響かドル円は小康状態となってはいるが、、

逆に、そういう配慮をしなければならない程厳しい内容かと後が心配である。又、いつも4月に出る米国の為替報告書が出ておらず、昨年に続き日本が為替操作国として登場するか注目である。*ドル円は取り敢えずリスク回避の動き。

*次の世界不況は、とてつもなく大きい?(JPプレスより)

中国は、景気の下支えの為、「大幅な金融緩和」「公共投資の増額」「個人、企業への

減税」と政策のそろい踏み。~債務の増大がさらに懸念材料となっている。

・中国国家統計局は、2018年の経済成長を6,6%と公表しているが、日米欧企の中国での販売の落ち込みを考慮すると、欧米の調査機関が発表している1,7%の方が信ぴょう性がある。

・中国経済減速の根本要因は、生産年齢人口がピークをを過ぎており潜在成長力が落ちている。その中で債務に依存した非効率な設備投資やインフラ投資を推し進めている。

・BIS(国際決済銀行)によれば、中国の合計債務(公的+民間)のGDP比は2018年3月末時点で261%まで上昇、その内訳は政府債務47,8%、民間企業債務164,1%、家計債務49,3%となっている。特に民間企業債務は22,1兆ドル(約2470兆円)と米国の2倍、ユーロ圏の1,6倍と突出している。

・このような中国の大きな債務は世界の大きなリスクとなっており、この度の無理な景気の下支え投資は、短期的には問題ないが、債務が増大する分、大きなクラッシュが世界を襲うことになる。

・中国人民銀行は、2018年第3四半期末のクレジットカード分の不良債権(半年の遅延)額が880億元(約1兆5千億円)になったと発表した。2011年同期は106億元(約1800億円)に比べ、約8倍に急増している。

・中国の改革開放のシンボルとしての役割を背負った民間企業は2017年末までに2726万社に増え、中国企業の95%が私企業でなりたっているが、現在では大半の企業が、経営コスト増、資金調達難、構造転換の困難という三重苦に陥っている。

・景気を牽引して来た不動産業に暗雲が漂って来ている。中国各地に乱立する巨大ビルのゴーストタウン、これまで地方政府が土地を売却して資金を回してきたが、この土地や権利の売却が最近不調となることが多く、不動産業者の資金繰り悪化が言われている。